分娩時の硬膜外麻酔前の予防的静脈内前負荷

Prophylactic intravenous preloading before epidural anaesthesia in labour

Hofmeyr GJ

最終更新日:12/09/1995


目的:最良の証拠に従い,分娩中の硬膜外麻酔に先だって行う予防的静脈内前負荷の効果を母体や胎児の福利に関して評価すること.

検索方法:コクラン妊娠と出産グループによって維持・更新された臨床試験のレジスター.

選択基準:組み込み基準は以下の通りであった:分娩中の硬膜外麻における予防的静脈内前負荷の影響についてコントロール群(非前負荷)と臨床的に意味のある結果を比較した臨床研究であること.治療群とコントロール群にランダム化または準ランダムに割付けられていること.振り当てられた管理法を行わなかった場合にも重大な結果をもたらさないこと.2研究が確認され,1つが先に決められた組み込み基準に合致した.

データ収集と解析:データは以下の基準を満たす場合に分析に組み込まれた.研究者のバイアスを最小限にするための適切な方策がとられていること.プロトコール違反を問わず,データはもともと割り振られた管理法にしたがって記載されていること.不十分なデータによって比較研究に重大な影響を与えないこと.データは分析するために適切な形をとっていること.

主な結果:予防的静脈内前負荷は母体の低血圧(オッズ比 0.14, 95%信頼区間0.05-0.41)と胎児心拍異常(0.30, 0.12-0.75)の減少と関係していた.そして1分後のアブガスコアが7点未満の新生児数には明らかな効果はなかった.

結論:方法論的に欠点があるので,この研究のレビューの結果は注意をして解釈すべきである.この研究の結果は静脈内前負荷の利点を明らかに示している.


Citation: Hofmeyr GJ. Prophylactic intravenous preloading before epidural anaesthesia in labour. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:六車浩史/佐藤孝道)