医療従事者の活動と患者のアウトカムを向上させるための教育資料

Printed educational materials to improve the behaviour of health care professionals and patient outcomes

Freemantle N, Harvey EL, Wolf F, Grimshaw JM, Grilli R, Bero LA

最終更新日:13/02/1997


目的:医療従事者の活動や患者のアウトカムを向上することにおける印刷された教育資料の有効性を明らかにする.

検索方法:関連した研究はCCEPPのレジスター(同グループの比較臨床試験特別レジスターの詳細を参照のこと)を使用し,関連記事の文献検索や内容分野の専門家との個人的な接触により検出された.

選択基準:研究デザイン:ランダム化比較試験(RCTs),阻止時間分析(ITS),そして前後測定を用いた同等でないグループ設定.比較方法:非介入コントロールに対する印刷された教育資料の効果を比較(比較1),あるいは教育資料単独と,それに平行して付加的に施行された戦略の効果を評価する(比較2)すべての研究.対象者:自分たちの活動や患者のアウトカムの改善を目指した教育資料を提供された医療従事者.介入:クリニカルケアのための出版物あるいは印刷された注意書き,より積極的な介入戦略は,CCEPP methods(METHODS USED INREVIEWS under EDITOLIAL INFORMATION in GRUOP DETAILSを参照のこと)に従って分類された.結果:専門的な活動,あるいは患者の健康面でのアウトカムのあらゆる客観的測定.

データ収集と解析:CCEPP group(METHODS USED IN REVIEWS under EDITORIAL INFORMATION in GROUP DETAILSを参照のこと)により記述された標準的な方法に従ったチェックリストを用い,2人の独立した評価者によってデータの抜粋や質の評価が行われた.11の研究が全ての包含基準を満たしていた.9の研究が’比較1’を試験し,6の研究(7の比較)が’比較2’を試験した.結果の報告が十分でないこと,および初めの分析が不適当であったため,介入の影響を定量的に調査することは実用的でないことが判明した.

主な結果:比較1に関して,これらの変化の実用的な重要性はどう見ても小さいにもかかわらず,教育資料からの利益の評価は,資料使用医療従事者のアウトカムは-3%から243.4%,患者のアウトカムでは-16.1%から175.6%にまで分布していた.比較2に関しては,介入の追加のためと考えられる利益は,専門的な行為では-11.8%から92.8%,患者のアウトカムでは-24.4%から74.5%に分布していた.専門的な行為の14の評価のうちの2つと,患者の成果の11の評価のうちの2つが適切な分析を使い,統計的に有意差を認めた(この4つは全て,ある一つの研究である).

結論:非介入群と比較して印刷された教育資料の効果は,研究間や不確実な臨床上の有意差から見ても小さいように思われる.しかし,結果の報告の十分でないことや,初めの分析が不適当であることから,効果の定量的な評価の利用が妨げられ,これらの結果は暫定的なものだとみなすべきである.より積極的な介入による付加的な影響は混合された結果を導いた.:教育的訪問看護やオピニオンリーダーの評価において観察された効果はより大きく,実用的に重要であるように見えるが,講義やフィードバックや会議が活動の実質的変化を生み出すことは明らかではなかった.しかし,これらの戦略の影響を確実に評価することは,このレビューからはできない.というのは,これらはその有効性の評価のごく一部分にすぎないからである.また十分に経済的な分析を含んだ研究はなく,従ってあらゆる介入の効果が関係するコストにどこまで値するのかは不明である.


Citation: Freemantle N, Harvey EL, Wolf F, Grimshaw JM, Grilli R, Bero LA. Printed educational materials to improve the behaviour of health care professionals and patient outcomes. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:高口恵子/白石由里,山田誠史)