過多月経に対する経口避妊薬の有効性:プラセボまたは他の薬物療法との比較

The effectiveness of oral contraceptive pills versus placebo or any other medical treatment for menorrhagia

Iyer V, Farquhar C, Jepson R

最終更新日:11/02/1997


目的:1.混合 経口避妊薬は過多月経の長期的・短期的な改善に有効か.2. 過多月経に対する他の薬物療法と経口避妊薬の効果の比較.3. 過多月経に対する他の治療法と比べて経口避妊薬の費用-効果比はよいか.4. 過多月経に対する他の治療法と比べて経口避妊薬の副作用はより少ないか.

検索方法:コクラン月経異常疾患グループによって開発された検索方法により,過多月経の治療における経口避妊薬についてのランダム化比較試験で,出版されたものをすべて入手した.

選択基準:過多月経の治療における経口避妊薬と他の薬物療法,プラセボ,または無治療とのランダム化比較試験.対象は月経整順な生殖可能年齢の女性で,主観的または客観的に測定された過多月経があり,少なくとも2ヶ月以上の追跡調査を行ったもの.

データ収集と解析:試験の質の評価とデータの抽出は少なくとも2人の判定者により,不公平さを排除する方法を取らないで実施された.基準を満たしたのは1研究のみで,除外された研究はなかった.この研究に含まれる症例数は45人であった.

主な結果:研究はクロスオーバー法で行われたため,最初の治療期間(第3,4周期)だけを分析に用いた.3種のメフェナム酸による治療群はひとつにまとめた.経口避妊薬とダナゾール,メフェナム酸,ナプロキセンの間で月経中の出血量に有意差は認められなかった.

結論:1つの小規模な研究によれば[Fraser 1991],経口避妊薬,メフェナム酸,低用量ダナゾールまたはナプロキセンによる治療群の間には有意差が認められなかった.今回確認されたこの1研究[Fraser 1991]のデータでは経口避妊薬の有効性を評価するのに十分とはいえない.本レビューはデータ不足のため,前述の目的を達成することができなかった.


Citation: Iyer V, Farquhar C, Jepson R. The effectiveness of oral contraceptive pills versus placebo or any other medical treatment for menorrhagia. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:日野村 靖/佐藤孝道)