胎児発育障害が疑われる場合の栄養療法

Nutrient treatment for suspected impaired fetal growth

Gulmezoglu AM, Hofmeyr GJ

最終更新日:05/07/1996


目的:胎児発育障害が疑われる場合における栄養療法について,胎児発育と周産期予後に対する効果を評価する.

検索方法:コクラン妊娠と出産グループによって維持・更新された臨床試験のレジスター.コクラン比較臨床試験レジスターの定期的な検索.(1997年10月31日まで)

選択基準:胎児発育障害が疑われる場合の栄養療法について,すべての容認できる比較試験が候補として選ばれた.認められた8試験のうち,3つは予め決められた採用基準に合致した.

データ収集と解析:臨床的なエンドポイントに関連した出版されたデータを抽出した.レビューした試験では,グルコース,ガラクトース,カルニチン,タンパク除去仔牛血液抽出物を栄養として投与していた.

主な結果:このレビューした試験の規模は一般的に小さく,方法論的に限界があった.SFG(small for gestational age)児の数は,仔牛血液抽出物(OR:0.40,95%信頼区間:0.09-1.70),グルコース(OR:1.32,95%信頼区間:0.31-5.68),ガラクトース(OR:0.60,95%信頼区間:0.15-2.44)とも未治療群と比較して同じであった.

結論:胎児発育障害が疑われる場合の栄養療法を奨励する根拠はない.栄養剤投与の役割を調べる試験は栄養剤の起こり得る悪影響を考慮し,結果として臨床的に意味のあるエンドポイントで判定すべきである.


Citation: Gulmezoglu AM, Hofmeyr GJ. Nutrient treatment for suspected impaired fetal growth. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:八重ゆかり/佐藤孝道)