早産児における抜管後の予防的な経鼻持続陽圧呼吸法

Prophylactic post-extubation nasal CPAP in preterm infants

Davis PG, Henderson-Smart DJ

最終更新日:07/11/1996


目的:間歇的陽圧換気(IPPV)後に気管内チューブを抜去した早産児において経鼻持続陽圧呼吸(NCPAP)を用いて管理することによって,抜管後直ちにヘッドボックスによる酸素投与を行うことに比べて,その後の呼吸補助を必要としない児の割合は増加するか.

検索方法:Oxford Database of Perinatal Trials,MEDLINEの検索,文献リストを含む過去の総説やカンファレンスあるいはシンポジウムの予稿集,専門的な情報提供者および専門誌のハンドサーチを主に英語で行い,またオガワ教授が日本語の専門的な情報提供者について検索した.

選択基準:ランダム化または準ランダム化された試験で,抜管後のケアとしてNCPAP(どんな方法でも)とヘッドボックスによる酸素投与を比較したものをすべて含めた.

データ収集と解析:データは2人の判定者が別々に抽出した.また同じデータをあらかじめ決めたサブグループについて分析し,NCPAPのレベル,IPPVの実施期間およびアミノフィリン投与の有無の影響を調べた.

主な結果:IPPV後抜管した早産児にNCPAPを適用すると,人工換気が必要になるような有害な臨床事象(無呼吸,呼吸性アシドーシスおよび酸素要求量の増加)が減少する.生後28日目における慢性肺疾患の減少もみられる.

結論:臨床との関連:NCPAPは気管内挿管およびIPPV後の早産児において,抜管失敗を予防し,生後28日目における酸素使用量を減少させる.研究との関連:今回の結果が適用できる対象の在胎期間および出生体重をより明らかにする必要がある.NCPAPの最適レベルおよび最適な実施方法もまだ定まっていない.


Citation: Davis PG, Henderson-Smart DJ. Prophylactic post-extubation nasal CPAP in preterm infants. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:廣瀬美智代/佐藤孝道)