早産児の無呼吸に対するメチルキサンチン投与

目的：無呼吸を繰り返す早産児に対し，メチルキサンチンを使用した治療が，臨床的に重大な副作用なしに，無呼吸と間欠的陽圧人工呼吸(IPPV)の使用を臨床的に重要なほど減少させるか．

検索方法：Oxford Database of Perinatal Trials，MEDLINE，孫引きをを含む過去のレビュー，抄録，カンファレンスやシンポジウムの予稿集，専門的な情報提供者，主に英語で書かれた雑誌のハンドサーチ，が検索された．また，日本語での専門的な情報提供者の検索はY.オガワ教授によってなされた．　

選択基準：早産児の無呼吸に，メチルキサンチン(テオフィリンまたはカフェイン)をプラセボや無治療と比較した，ランダムまたは準ランダム割付を行ったすべての試験が含まれた．方法論の質の評価は，2人の著者によって別々に行われた．

データ収集と解析：データは2人の著者により別々に抽出された．

主な結果：すべての試験のデータ，および，サブグループ((テオフィリンの評価には3試験，カフェインの評価には1試験)のデータについて，分析がなされた．治療効果はオッズ比と95%信頼区間で表現された．

結論：メチルキサンチン投与は無呼吸の頻度を減らすことに有効で，人工呼吸器の使用を減らすことに関連がある．これは，様々な試験で同様な結果である．テオフィリンとカフェインで同様な結果である．この治療が最適である児を同定したり，長期予後への影響を評価するには，より多くのデータが必要である．各試験での患者数が少ないことは，無呼吸の評価をおこなえるものの，一般的ではない有害な影響が見つけにくくなるので，大きな問題である．

Citation: Henderson-Smart DJ, Steer P. Methylxanthine treatment for apnea in preterm infants. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.