早期産児の抜管に対するメチルキサンチンの予防的投与

Prophylactic methylxanthine for extubation in preterm infants

Henderson-Smart DJ, Davis PG

最終更新日:03/11/1997


目的:主な疑問:IPPVから離脱する早期産児や気管内挿管を抜管予定の早期産児で,メチルキサンチンの治療が,臨床的に重大な副作用なしに,挿管やIPPVの使用を減少させるか.

検索方法:コクランライブラリにおいて,概略としてのコクラン新生児レビューグループの標準的調査方法が使われた.

選択基準:早期産児や低出生体重児の抜管がうまくいく機会を向上させるために,メチルキサンチン(テオフィリンまたはカフェイン)の治療が,プラセボや治療なしと比較したランダムまたは準ランダムに患者を割付けたすべての出版された試験が組み込まれた.

データ収集と解析:コクラン共同研究と新生児レビューグループの標準的方法が使われた.第二著者は,著者を隠した研究の質を評価し,別個にデータを抽出した.相対危険度と危険度差がメタ・アナリシスに使われた.

主な結果:4つの出版された試験を総括して解析すると,メチルキサンチン治療は,人工換気の使用を減少させることが示唆された.4研究中3研究は,この総括した結果に一致していたが,1つの小規模の研究(Barrington 1993)では有用でなかった.

1研究(Durand 1987)では,治療は1000g未満で出生した生後1週間未満の新生児に有効だった.この研究の中の,あらかじめ決められていた小規模のサブグループ研究で,出生時体重1kg未満でかつ生後1週間を越える新生児や,出生時体重1,000-1,250gで1度抜管に失敗している新生児では,有意義な利点は見いだせなかった.

結論:臨床的意義

メチルキサンチンは早期産児の抜管を成功させる機会を増やすかもしれないが,このメタ・アナリシスの結果からは,臨床実地に対して断固として勧めるものではない.1研究では,1週間以内に抜管する超低出生体重の新生児で主に有用であることが示唆されている.1000gより重い出生時体重の新生児や,生後1週間を越える新生児について,抜管に対してメチルキサンチンをルーチンで使用することを支持するデータはない.

研究の意義

超早期産児の抜管に対してメチルキサンチンをプラセボと比較したさらなる研究が必要である.今後の研究では,出生時体重よりもむしろ在胎週数(未熟性のさらに良い指標)によって新生児を分類する必要がある.治療域の広い(Blanchard 1992)カフェインは,プラセボと比較評価してより良い治療と思われる.副作用と経過観察中の神経学的発達状態を結果として含めるべきである.


Citation: Henderson-Smart DJ, Davis PG. Prophylactic methylxanthine for extubation in preterm infants. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:益田裕子/佐藤孝道)