目的:胎児発育障害が疑われる場合,母体への酸素療法の胎児発育と周産期予後に対する効果を評価する.検索方法:コクラン妊娠と出産グループによって集められ,更新された臨床試験のレジスター.コクラン比較臨床試験レジスターの定期的な検索が行われた.
選択基準:胎児発育障害が疑われる場合,母体酸素療法と酸素を用いない方法を比べたすべてのランダム化試験が含まれた.2つの試験が確認され,このレビューに含まれた.
データ収集と解析:出版されたデータが用いられた.
主な結果:両方の研究において酸素を用いたグループで周産期死亡率は有意に低かった.しかし,2試験とも規模が小さく,酸素療法グループに有利(>妊娠週数)に妊娠週数が偏っており,死亡率の差の原因かもしれなかった.
結論:胎児発育障害が疑われる場合の酸素療法の効果は,有用,有害の両方の可能性がある.ここにレビューした試験は規模が小さすぎて,その有効性と安全性の評価に信頼がおけない.胎児発育障害が疑われる場合の母体酸素療法は,十分に計画されたランダム化試験のみで用いられるべきである.
Citation: Gulmezoglu AM, Hofmeyr GJ. Maternal oxygen therapy in suspected impaired fetal growth. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.
(日本語翻訳:八重ゆかり/佐藤孝道)