アトピー性湿疹がある新生児に授乳中の母親の抗原回避

Maternal antigen avoidance during lactation for infants with atopic eczema

Kramer MS

最終更新日:23/08/1996


目的:アトピー性湿疹がある乳児に授乳中の母親へ抗原回避食を指示することの,湿疹に重症度に対する効果を評価すること.

検索方法:コクラン妊娠と出産グループによって維持・更新された臨床試験のレジスター.

選択基準:アトピー性湿疹を有する児に授乳中の母親に対する抗原回避食を指示した全ての容認できる比較試験.抗原回避の程度(食餌から除かれた食物数)や期間は考慮していない.

データ収集と解析:データは出版された論文から判定者によって抽出され,判定者によって連絡を取った原著者から情報が追加補充された.

主な結果:1つの小規模な試験(Cant 1986)に基づくと,母親の抗原回避は湿疹の重症度を有意差はないが減少させると考えられた.

結論:この試験のはっきりしない結果については,それ自身対象が少ないこと(n=17)と,試験が牛乳および卵と,豆乳(大豆自身アレルギー性がある)の比較であったことに注意して解釈すべきである.ある一定の食物に対して,母乳栄養児の湿疹の重症度の変化を母親が言ってきた場合は,疑わしい食物に対して負荷試験や除去試験(できれば二重盲検法)を行って追求されるべきである.


Citation: Kramer MS. Maternal antigen avoidance during lactation for infants with atopic eczema. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:久住真喜子/佐藤孝道)