子癇に対する硫酸マグネシウムとフェニトインとの比較

Magnesium sulphate versus phenytoin for eclampsia

Duley L, Henderson-Smart D

最終更新日:04/07/1995


目的:子癇妊婦管理に用いられる硫酸マグネシウムの特異的な効果をフェニトインと比較して評価すること.

検索方法:コクラン妊娠と出産グループによる臨床試験のレジスター.

選択基準:対象:臨床的に子癇と診断された妊婦 方法:硫酸マグネシウム(静脈内または筋肉内投与)とフェイニトインとの比較結果 評価:母体死亡と他の重篤な母体罹患率,分娩前に対象がランダムに割付けられた場合には,陣痛/分娩や児の状態に関連した結果も追加された.

データ収集と解析:結果および妊婦が受けた管理法がともに明記されている研究から不公平さを排除する方法をとらずにデータを抽出した.

主な結果:硫酸マグネシウムはフェニトインに比べて子癇妊婦管理時の痙攣発作再発の実質的な減少と関連がみられる.母体死亡率の減少傾向に対しても硫酸マグネシウムの方がより有効な傾向があるが統計的な有意差はない.1分後アプガースコア7点未満以外の結果において硫酸マグネシウムとフェニトインとの違いはみられない.

結論:このレビューは硫酸マグネシウムとジアゼパムや抗痙攣カクテル製剤との比較をふまえて考察されるべきである.全般的に現在では硫酸マグネシウムは子癇治療に対してフェニトイン・ジアゼパム・カクテル製剤に比較して有効との確かな証拠がある.


Citation: Duley L, Henderson-Smart D. Magnesium sulphate versus phenytoin for eclampsia. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:久住真喜子/佐藤孝道)