医療従事者の活動とヘルスケアのアウトカムを向上させるための地域オピニオンリーダー

目的：ヘルスケアにおける医療従事者の活動，あるいは患者のアウトカムを改善するための地域オピニオンリーダーたちの利用の有効性を明らかにする．改革を普及させる理論と，行動変容の社会的影響モデルは共に，基準と模範となる適当な行動を伝達するための地域オピニオンリーダーたちの利用は，ヘルスケアに対する医療従事者の活動を改善させるだろうと示唆している．地域オピニオンリーダーたちはまた，活動における変化の根本的な理由を決定するための，地域プロバイタ゛ーの可能性を増大させるかもしれない．

検索方法：医療従事者の活動を改善させることを目的とした介入研究を同定するための論文の参考文献リストの評価，およびコンピュータ化された MEDLINE とCINAHL検索を行った．

選択基準：研究デザイン=1つあるいはそれ以上の介入群への対象者のランダム割付．; 対象者=学生を除く医療従事者たち; 介入="教育的に影響力を持つ"として同僚より推薦された医療従事者であると定義された地域オピニオンリーダーたちの利用，著者はオピニオンリーダーは彼らの同僚たちにより同定されていると明記しなければならない．アウトカム=ヘルスケアの場での客観的に測定されたプロバイダーの行動　(たとえば検査のオーダー数，特定の薬の処方の数のような)あるいは患者の結果(血圧，帝王切開の数を含む)における．

データ収集と解析：試験の質は8つの基準を用い，二人の評価者により評価された．方法，対象者，介入，そしてアウトカムに関連した情報が抽出された．

主な結果：6つの研究が全ての選択基準を満たした．全ての研究において対象となる行動は，変形性関節炎，リウマチ性関節炎，慢性肺疾患，帝王切開後の経膣分娩，出産，そして尿路カテーテル管理を含む様々な患者の問題に対する一般的な対処についてであった．6つの研究のうち5つが，少なくとも1つのアウトカムに対する医療従事者の活動における何らかの改善を証明した．患者のアウトカムを測定した3つの研究において，ただ一つが臨床上重要な活動に影響を与えた．即ち，地域オピニオンリーダーたちは帝王切開後の経膣分娩の頻度を改善することにおいて効果的であった．

結論：地域オピニオンリーダーたちを利用することは，専門的な活動における混合した効果をもたらした．しかし，地域オピニオンリーダーたちが何をするかは明らかでなく，再現性のある記述が必要である．今後さらに，オピニオンリーダーたち同定されるかどうか，またどのような環境において，同僚たちの活動に影響を与えるれるかどうかを明らかにする研究が必要である．

Citation: Thomson MA, Oxman AD, Haynes RB, Davis DA, Freemantle N, Harvey EL.. Local opinion leaders to improve health professional practice and health care outcomes. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.