目的:超低出生体重児において,早期から新生児にあたる自然光を減らすことで,すべての急性未熟児網膜症(ROP)の発生率や予後不良のROPの発生率に,どんな影響があるか,という疑問に答えることを目的とする.検索方法:コクラン新生児レビューグループの比較臨床試験特別レジスター,MEDLINE,EMBASE,コクラン・ライブラリー,レビュー,抄録,カンファレンスやシンポジウムの予稿集およびこれらの文献リスト,専門家からの情報,を検索した.検索用語は,[retrolental fibroplasia or retinopathy of prematurity] and [light or light/ae or lighting or lighting/ae or light/tu or lighting/st]とした.
選択基準:出生後7日以内に未熟児への減光を行った,ランダム化または準ランダム化比較試験が,このレビューの為に検討された.
データ収集と解析:すべての急性ROPや予後不良ROPを含む臨床結果のデータは,別々に判定者により抜粋されて,合意を得た.データ分析はコクラン新生児レビューグループの基準に従って行われた.
主な結果:最近の4つのランダム化試験と,かなり古い準ランダム化試験のデータによると,未熟児に対する減光で,急性ROPや予後不良ROPを減らすことは,認められなかった.2kg未満の未熟児中急性未熟児網膜症(ROP)の発症率は54%である.この状況で,現在まで研究に参加した未熟児の人数から得られた95%信頼区間が仮に真に差があるかないかの判断を見誤ったとしても,その差は7%より小さいであろう.
結論:未熟児に対する減光はROPの発生率はほとんど減らないと言ってよさそうである.
Citation: Phelps DL, Watts JL. Early light reduction to prevent retinopathy of prematurity in very low birth weight infants. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.
(日本語翻訳:古賀義規/岡山雅信)