妊娠中の下肢痙攣の治療

Treatment of leg cramps in pregnancy

Young GL, Jewell MD

最終更新日:05/09/1995


目的:妊娠中の下肢痙攣の治療の有効性を評価すること.

検索方法:コクラン妊娠と出産グループによって維持・更新された臨床試験のレジスター.

選択基準:妊娠中の下肢痙攣に対する何らかの治療に関する,出版あるいは未出版のランダム化比較試験.

データ収集と解析:別々に試験の質の評価をおこなった2人の判定者によって試験は査読され,レビューに組み込むために別々にデータが抽出された.

主な結果:このレビューには3つの試験が含まれており,各々の試験間で「プラセボと比較したカルシウム」を「プラセボと比較した塩化ナトリウム」と比べている.2つの試験データに基づいたカルシウム治療の分析では総合的な利益は示さない(OR 0.61,95%IC 0.29-1.29).しかし,これらの試験では異質性を示すカイ二乗値が21.7と,矛盾する結果を示した.塩化ナトリウム治療は1つの試験のデータで有効性が示された(OR 0.27,95%IC 0.11-0.68).しかし,この試験は40年近く前に公表されたもので,その知見はその間の国民の食餌の変化を考慮すると,より意義が低いかもしれない.

結論:痙攣を起こした筋肉のマッサージとストレッチングは有益であると広く信じられており,既知の副作用もない.


Citation: Young GL, Jewell MD. Treatment of leg cramps in pregnancy. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:福井直仁/佐藤孝道)