妊娠中に水中に浸ること・水中分娩・水中出産

Immersion in water during pregnancy, labour and birth

Nikodem VC

最終更新日:02/06/1997


目的:妊娠中に水中に浸ったり,水中分娩・水中出産を行うことの母体,胎児,新生児の予後やケア提供者の成果に対する有益性と危険性を決定すること.

検索方法:全体としてこのレビューはコクラン妊娠と出産グループによって開発された検索方法によった.関連する試験は同グループの比較臨床試験特別レジスターの中から確認した.出版されているいないに関わらず著者にはさらなるデータを得るため連絡をとった.

選択基準:水中分娩と非水中分娩を比較した全てのランダム化比較試験.進行中のものや未出版の試験はこのレビューには含まれていない.

データ収集と解析:出版データより水中分娩に関する3例のランダム化比較試験を確認し,判定者による分析に含めた.レビューに用いたデータは独立して調べた.妊娠中に水中に浸ることあるいは水中出産に関する試験はこのレビューに含まれていない.

主な結果:水中分娩による明らかな有益性や悪影響は見られなかった.分娩第一期に水中で過ごすと鎮痛手段の使用が減少する傾向があった.新生児予後では水中分娩群においてアプガースコアの軽度の低下や臍帯動脈pH値の低下そして新生児感染率のわずかの増加を示した.

結論:水中分娩による重大な悪影響は報告されていないものの,胎児や新生児に対する安全性を決定ずけるさらなる証拠が得られるまでは注意しながら推奨されるべきである.


Citation: Nikodem VC. Immersion in water during pregnancy, labour and birth. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:秋山香乃/佐藤孝道)