妊娠中の高タンパク質補充

High protein supplementation in pregnancy

Kramer MS

最終更新日:23/08/1996


目的:妊婦の高タンパク質栄養補充が妊娠中の母体体重増加や胎児発育,妊娠期間,母体・胎児・新生児罹患率や死亡率を含めた妊娠予後に対してどのような影響を与えるか評価すること.

検索方法:コクラン妊娠と出産グループにより維持・更新された臨床試験のレジスター.

選択基準:全補充エネルギーにおけるタンパク質由来エネルギーが25%より多い場合のタンパク/エネルギー補充についての適切な全対照比較研究.

データ収集と解析:データは出版された報告書から著者により選び出され,また著者が原著者に連絡をとって補足的な情報が追加された.

主な結果:高タンパク質補充は週ごとの母体体重増加に対してわずかな関係を認めるが統計的には有意な相関はなかった.適切な2つの試験によると胎児発育に対しての利点は見いだされていない.実際のところ修正平均出生体重の違いは-58.4gであった.Harlem試験(Rush 1980)では高タンパク質補 充により新生児死亡の危険を有意ではないが上昇させていると報告している.

結論:入手された証拠によると妊婦の高タンパク質補充を正当化する報告はない.そのような栄養補充は有効性に欠けるばかりでなく有害を示唆する報告までみられる.


Citation: Kramer MS. High protein supplementation in pregnancy. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:久保理恵/佐藤孝道)