反復性流産に対するヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)

Human chorionic gonadotrophin (HCG) for recurrent miscarriage

Prendiville WJ

最終更新日:18/07/1995


目的:この組織化されたレビューでは,妊娠初期中のHCG投与が稀発月経の有無を含めた反復性流産既往婦人の今回の流産リスクに与える影響を評価した.

検索方法:このレビューは全体としてコクラン妊娠と出産グループのために開発された検索方法を利用した.関連ある研究は同グループの比較臨床試験特別レジスターの中で同定された.

選択基準:HCGが反復自然流産既往婦人に投与された場合に今回の流産の危険に対する影響を評価することを目指した知りうるすべての関連ランダム化比較試験がこのレビューに組み込まれるために考慮された.5つの研究が同定されたが,うち4研究が含まれることになった.1つの出版された研究はその後信頼性に乏しいことが判明したため除外された.

データ収集と解析:データは判定者(Walter Prendiville)により抽出された.すべての試験は稀発月経と反復流産既往をともにもつ婦人において流産リスクに対するHCGの効果を評価するために計画された.

主な結果:反復流産既往婦人に対してのHCGは今回の流産リスクに対して有益な影響をもつ可能性をデータは示している.この2つの方法論的に根拠の薄い研究によってHCGの明らかな効果は強く影響されるため,ここで示された知見の解釈にはかなりの注意が必要である.

結論:原因不明の反復性自然流産の既往をもつ婦人における流産防止のために妊娠中に使用されるHCGの効果についての十分な証拠はない.稀発月経の有無を含めた反復性流産既往婦人におけるHCGとプラセボを比較した適当な大きさのランダム化比較試験が必要である.


Citation: Prendiville WJ. Human chorionic gonadotrophin (HCG) for recurrent miscarriage. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:秋山香乃/佐藤孝道)