妊娠中の淋疾治療

Treatment of gonorrhoea in pregnancy

Brocklehurst P

最終更新日:01/11/1996


目的:どの抗生物質療法が妊娠中の淋疾による生殖器感染の治療において有効かを判定すること.

検索方法:コクラン妊娠と出産グループによって維持・更新された臨床試験のレジスター.

選択基準:本レビューには2つの試験が含まれている.適格となるには,淋菌性生殖器感染が培養によって確認された妊婦における,ある抗生物質と他剤とのランダム化された比較試験(盲検化の有無は問わず)である必要があった.

データ収集と解析:データはあらかじめ定められた収集形式に則って,出版された報告から抽出された.

主な結果:レビューに含まれる試験の結果はカテゴリー的で,95%信頼区間付きのオッズ比として示される.

結論:このレビューに含まれる2つの試験から,アモキシシリンとプロベネシド併用,スペクチノマイシン,セフトリアキソンは,微生物学的治癒(淋菌培養陰性と定義される)において同等の効果をもつことが示される.しかし試験に含まれる患者数は比較的少ない.これ以外の結論は報告されていない.今後行われる抗生物質療法の比較研究では,多数の結果因子の測定と副作用のより詳細な評価を行うべきである.さらにペニシリナーゼ産生淋菌の頻度が高い集団における抗生物質の第一選択薬は未だ確立していない.


Citation: Brocklehurst P. Treatment of gonorrhoea in pregnancy. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:福井直仁/佐藤孝道)