関節包外大腿骨骨折:関節置換術と内固定術との比較

Extracapsular femoral fractures: replacement arthroplasty versus internal fixation

Parker MJ, Handoll HHG

最終更新日:06/02/1997


目的:骨の成熟した人の関節包外近位大腿骨頚部骨折に対する,骨頭置換術と内固定術による治療を比較する.

検索方法:適当なランダム化比較試験をコクラン筋骨格−外傷グループの一般検索法によって検索した.同様に既出論文の参照用リスト検索や同業者と連絡を取り合い情報交換した.

選択基準:成人の関節包外近位大腿骨骨折について,骨頭置換術と内固定術を比較したすべてのランダム化比較試験.

データ収集と解析:データはランダム化試験を行ったもののみから抽出され,追加情報が加えられた.適切な二分法の結果にオッズ比や99%信頼区間が算出され,図式化された.

主な結果:一つだけ,大転子部の不安定な関節包外大腿骨骨折をもつ90人の患者のランダム化試験(Stappaerts 1995)が確認され,レビューにとりいれられた.この研究から入手できる,限られたデータからは手術時間,創局所の合併症,死亡率,受傷前に自立していた患者の移動能力については2つの方法に明らかな差は認められなかった.しかし,骨頭置換術の方がより輸血の必要性が高いという結果だった.

結論:ランダム化比較試験からは,関節包外大腿骨骨折において,骨頭置換術がsliding hip srewよりも優れているというエビデンスは不十分である.これらの骨折に対する治療についてよりよく計画された患者対照研究が要求される.


Citation: Parker MJ, Handoll HHG. Extracapsular femoral fractures: replacement arthroplasty versus internal fixation. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:横田恭子/内堀充敏, 白石由里)