帝王切開術において子宮を腹腔外に挙上し修復する方法と腹膜内修復法の比較

Uterine exteriorization vs intraperitoneal repair at Caesarean section

Enkin MW, Wilkinson C

最終更新日:24/01/1995


目的:目的は,子宮切開創の修復のために子宮を腹腔外に挙上する効果を,腹腔内で子宮を縫合する効果と比較し,評価することである.

検索方法:試験はコクラン妊娠と出産グループの比較臨床試験特別レジスターによって確認された.

選択基準:すべての出版,未出版,現在進行中の試験で以下の基準を満たすもの.対象:選択的または緊急帝王切開術を行った妊婦.方法:修復のための子宮の腹腔外への挙上と腹腔内修復の比較.結果判定:出血量,ヘマトクリットの低下,発熱の罹患率,子宮内膜炎,創感染,修復中の嘔吐.

データ収集と解析:データは著者によってそれぞれの試験から不公平さを排除する方法を取らないで抽出された.

主な結果:腹膜外への挙上は出血量に対し有意差を示さなかったが,胎盤用手剥離を行う時に出血を少なくする傾向が有意ではないがあった.また,腹腔外に挙上する方法は術後の発熱日数を減少させ,有意ではないが感染を減少させる傾向があった.また,部分麻酔下で腹腔外への挙上を行った時,有意ではないが悪心・嘔吐を増加させる傾向があった.

結論:腹腔外へ挙上することをルーチンに行うことに対して,はっきりした結論を出すには不十分なデータしかない.


Citation: Enkin MW, Wilkinson C. Uterine exteriorization vs intraperitoneal repair at Caesarean section. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:福井直仁/佐藤孝道)