早産児の無呼吸に対するドキサプラム投与

Doxapram treatment for apnea in preterm infants

Henderson-Smart DJ, Steer P

最終更新日:31/07/1996


目的:無呼吸を繰り返す早産児に対し,ドキサプラムを使用することで,臨床的に重大な副作用なしに,無呼吸や人工呼吸器を使用することを臨床的に重要なほど減少させるか.

検索方法:Oxford Database of Perinatal Trials,MEDLINE,孫引きを含む過去のレビュー,抄録,カンファレンスやシンポジウムの予稿集,専門的な情報提供者,主に英語で書かれた雑誌のハンドサーチ,が検索された.また,日本語での専門的な情報提供者の検索はY.オガワ教授によってなされた.  

選択基準:早産児の無呼吸の治療にドキサプラムが使用された,患者のランダムまたは準ランダム割付けが行われたすべての試験が含まれた.無呼吸の原因が明確な場合には極力除くようにつとめた.無呼吸の重症度と治療への反応の評価は,American Academy of Pediatricsに定義された'clinical apnea'の評価と厳密に一致するようになされた.

データ収集と解析:おのおのの著者が別々にデータを抜粋した.それから比較され,相違点は解決された.

主な結果:ただ一つの試験のみ見つかった.治療効果はオッズ比と,95%信頼区間として表現された.

結論:ドキサプラムの静注は治療開始48時間以内では無呼吸を減らすようにうつるが,より長い期間でも有用である証拠はない.既知のおこりうる不利益な影響を評価するにはデータが不十分であり,長期的な結果は調べられていなかった.臨床におけるこの治療の役割を明確にするにはさらに研究が必要である.


Citation: Henderson-Smart DJ, Steer P. Doxapram treatment for apnea in preterm infants. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:亀井陽子/佐藤孝道)