子宮内膜症治療に対するダナゾールとプラセボの比較

子宮内膜症治療に対するダナゾールとプラセボの比較

Danazol versus placebo for the treatment of endometriosis

Selek V, Farquhar C, Prentice A, Singla A

最終更新日:27/02/1997


目的:出産可能年齢の女性における不妊症以外の子宮内膜症の症状と症候に対する治療でプラセボや無治療と比べてダナゾールの効果を評価すること.

検索方法:子宮内膜症でのダナゾール投与のランダム化比較試験を同定するためにコクラン月経異常疾患グループの調査方法を用いた.加えて,含まれる試験のすべての参照リストが調べられ,関連した製薬会社に未出版の試験の詳細について連絡をとった.

選択基準:ダナゾール(単独または術後治療)とプラセボまたは無治療とを比較したランダム化比較試験.結果が不妊症のみである試験は除外した.

データ収集と解析:4つの試験のみが基準を満たし,二人の著者が別々にこれらの試験からデータを抽出した.4つはすべてダナゾールとプラセボを比較した試験であった.2つの試験は単独治療としてダナゾールを投与し,2つの試験は術後治療としてダナゾールを投与した.主たる結果は疼痛の改善であったが,腹腔鏡のスコアやホルモン値に関連したデータも集められた.

主な結果:ダナゾールの治療(術後治療も含める)はプラセボに比べて子宮内膜症に関連した疼痛を軽減することに関して有用である.腹腔鏡スコアはプラセボや無治療に比較してダナゾール治療(術後治療を含める)で向上した.副作用はプラセボに比べてダナゾールを投与された患者に多くみられた.

結論:子宮内膜症の症状と症候に対する治療でダナゾールは有用である.しかしその使用は男性化の副作用により制限される.


Citation: Selek V, Farquhar C, Prentice A, Singla A. Danazol versus placebo for the treatment of endometriosis. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:田中恵美子/佐藤孝道)