急性虚血性脳卒中と推定された後の副腎皮質ステロイド

Corticosteroids following acute presumed ischaemic stroke

Qizilbash N, Lewington SL, Lopez-Arrieta JM

最終更新日:10/01/1997


目的:急性虚血性脳卒中と推定された時における副腎皮質ステロイドの投与が致死率と機能的予後に影響を及ぼすかどうか,また治療が安全であるかどうかを決定すること.

検索方法:コクラン脳卒中レビューグループの検索方法と研究者とのやりとり.

選択基準:すべての,最後まで終了した臨床試験で,明確にまたはできうるかぎり正しくランダム化された比較試験で副腎皮質ステロイドの治療とプラセボまたはコントロールとの間の臨床成績の評価で比較されたもの.脳卒中発生の48時間以内のものが対象.

データ収集と解析:すべての原因の死亡,機能的な予後,副作用.

主な結果:副腎皮質ステロイドで治療されたのが223人,コントロール患者が230人である7個の臨床試験で初期死亡の分析(1年以内で)は可能であった.致死率の解析は,95%信頼区間が死亡リスク72%増加から32%減少において死亡オッズを8%増加を示した.治療は生存者において機能的予後を改善するようには思えない.有害な影響として報告されたのは,高血糖の悪化,感染,消化管出血だけであった.

結論:メタ・アナリシスは,発症の最初の1年では,生存について副腎皮質ステロイドの効果のないことを示したが,信頼区間は広かった.日常的な急性虚血性脳卒中の患者における副腎皮質ステロイドの投与は現在のところ推奨できない.


Citation: Qizilbash N, Lewington SL, Lopez-Arrieta JM. Corticosteroids following acute presumed ischaemic stroke. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:久住真喜子/三瀬順一,河合 徹)