出生前診断における絨毛採取と羊水穿刺の比較

Chorion villus sampling vs amniocentesis for prenatal diagnosis

alfirevic Z, Gosden C, Nelson JP

最終更新日:05/02/1996


目的:絨毛採取が第2三半期における羊水穿刺と同じく正確で安全な出生前診断であるという仮定を検定する.

検索方法:データソースは,コクラン妊娠と出産グループによりまとめられ定期的に更新・登録されたランダム化試験.

選択基準:第1三半期における絨毛採取と第2三半期における羊水穿刺を比較したランダム化試験.

データ収集と解析:出版論文,未出版のデータにより主判定者によってなされた.

主な結果:試料採取の失敗,複数回の器具挿入,頻回の採取,分析上の失敗,母体細胞の混入,異常核型の出現,偽陽性や偽陰性が絨毛採取群に割り当てられた女性に有意に多かった.母体の合併症はめったになく,生命を脅かすものであったという報告もない.流・死産は絨毛採取の後によくある.絨毛採取群における自然流産の統計学的に有意な増加は,その方法に関係あるものであると思われる.統計学的に有意ではないが,絨毛採取後の死産や新生児死亡の増大が危惧される.

結論:第2三半期における羊水穿刺は絨毛採取より,より安全であり,絨毛採取による,より早期の診断がより有利かどうかは,その,より大きなリスクを考慮した上で決定されるべきである.


Citation: alfirevic Z, Gosden C, Nelson JP. Chorion villus sampling vs amniocentesis for prenatal diagnosis. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:岡野愛子/佐藤孝道)