姿勢管理による頭位への矯正

Cephalic version by postural management

Hofmeyr GJ

最終更新日:19/09/1995


目的:入手可能な最良の証拠により,骨盤位のための姿勢管理が妊娠予後の測定結果に及ぼす影響を評価すること.

検索方法:コクラン妊娠と出産グループにより維持・更新された臨床試験のレジスター.

選択基準:組み込み基準は以下の通り:骨盤位における,骨盤挙上による姿勢管理の臨床的に意義のある結果に対する効果をコントロール群(治療なし)と比較した臨床試験,治療群とコントロール群へのランダムまたは準ランダム割付け,割り当てられた管理の違反が実質的に結論に影響していないこと,臨床的に意義のある結果の評価方法をとっていること,観察者のバイアスを最小限にする合理的な手段がとられていること,プロトコール違反の有無に関係なくランダム割付けに従っていて分析可能なデータ,不十分なデータのために結果に重大な影響が出ていないこと,そして分析に利用できるデータ.確認された4研究のうち,3つが組み込みのためのあらかじめ定義された組み込み基準を満たした.

データ収集と解析:検討された試験は,結果を考慮せず,方法論的質と組み込みの適切さに関して評価された.組み込まれた試験データは,以下へ記述されたものによって処理された.Mulrow CD,Oxman AD (編) ,コクラン共同計画ハンドブック[1997年3月1日改訂].コクラン・ライブラリー[ディスクまたはCDR-OMのデータベース].コクラン共同計画発行.オックスフォード,Update Software社.1996年より3カ月毎に改訂.

主な結果:姿勢管理は非頭位分娩の減少と,有意ではないが関連がみられた.(相対的危険 0.90, 95% 信頼区間 0.73 から1.12),帝王切開や1分後のアプガースコアが7未満における測定可能な効果には関連していなかった.

結論:研究の数が少ないために,臨床的に意義のある有益な影響が見逃されたかもしれない.骨盤位に対する姿勢管理が有効かどうか判定するためには,より大規模な試験が必要である.


Citation: Hofmeyr GJ. Cephalic version by postural management. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:岡野愛子/佐藤孝道)