授乳の早期開始

Early initiation of breastfeeding

Renfrew MJ, Lang S

最終更新日:02/02/1994


目的:分娩後4〜8時間後の授乳開始と比較し,出産後早期(30分以内)に授乳を開始した場合の授乳期間と母児間の相互作用に対する影響を評価すること.

検索方法:コクラン妊娠と出産グループによって維持・更新されている臨床試験のレジスター.検索方法はコクラン妊娠と出産グループによって開発されたものを用いた.

選択基準:研究:出産早期の授乳開始に関する,妥当と思われるすべてのランダム化あるいは準ランダム化比較試験.対照:授乳を希望する妊婦とその正期産児.方法:産後早期からの母児間の接触・授乳と産後4ー8数時間後からのそれらとの比較.結果の判定:分娩後6週間目と12週間目までにおける授乳の継続の有無・観察期間中の母児間の接触,交流の状態・夜間の授乳に問題のないこと.組み込まれた試験数:3;除外された試験の数:1.

データ収集と解析:データは,2人の経験ある判定者によって抽出かつ分析された.

主な結果:産後早期に母児の接触や授乳を開始した場合,特定の観察期間においては母児間の相互作用がより豊富であることが示された.出産後6週と12週時において,授乳を継続する母親の数には統計上意味のある影響は全くなかった.

結論:もし,母親が出産後早期に授乳を開始しない場合,逆に授乳期間が短くなるであろうという証拠はない.しかし,この結果にみられる母児間の相互作用の上昇を考えると母親は好きなだけ早期に児との接触を持つべきである.授乳開始を意図的に遅らせたり,早めたりすることは避けるべきである.


Citation: Renfrew MJ, Lang S. Early initiation of breastfeeding. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:水谷武夫/佐藤孝道)