目的:鎌状赤血球貧血合併妊婦にルーチンに輸血を行う方針(例えば週2単位の輸血を3回行う)と選択的に輸血を行う方針(例えばヘモグロビン濃度が6g%以下のときのみに輸血する)を比較すること.検索方法:コクラン妊娠と出産グループにより開発された検索方法を利用した.
選択基準:鎌状赤血球貧血合併妊婦に対する輸血の役割を評価したすべての適格な比較研究が候補として選ばれた.現在のところ1つの研究のみが存在している.
データ収集と解析:データは唯一の出版された報告書から著者によって抽出された.
主な結果:この研究の結果は,選択的輸血の方針によって母体の疼痛発作の頻度は増し母体は重篤な貧血へと発展するが,必要とされる輸血回数は減少させることを示している.
結論:この1つの研究からでは明白な結論は引き出せない.今後の研究においては選択的輸血やルーチン輸血に対する基準を検討すべきである.
Citation: Mahomed K. Prophylactic vs selective blood transfusion in sickle cell anaemia. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.
(日本語翻訳:六車浩史/佐藤孝道)