分娩第2期におけるβ刺激剤の予防的静脈内投与

Prophylactic intravenous betamimetics in second stage of labour

Hofmeyr GJ

最終更新日:11/05/1995


目的:入手可能な最良の知見から,分娩第2期における予防的β刺激剤の静脈内投与療法が周産期予後に与える影響を評価すること.

検索方法:コクラン妊娠と出産グループにより維持・更新された臨床試験のレジスター.

選択基準:検討対象に含まれる基準は以下の通り:対照群(プラセボ群または非治療群)と対比して臨床的に意義のある結果に対する分娩第2期における予防的β刺激剤投与の効果を臨床比較した研究であること.対照群と治療群にランダムに割付けられていること.振り当てられた管理法を行わなかった場合にも重大な結果をもたらしていないこと.これらの基準に合致した一つの研究が同定された.

データ収集と解析:以下の基準に当てはまった場合にデータは分析に含められた:観察者のバイアスを最小限にするための適切な方策がとられていること.プロトコール違反を問わず,データはもともと割り振られた管理法にしたがって示されていること.不十分なデータによって比較研究に重大な影響がでないこと.データは分析するために適切な形をとっていること.

主な結果:予防的β刺激剤の投与は鉗子分娩の頻度増加と関連がみられた(オッズ比:2.42,95%の信頼区間1.06-5.51).有意差をもって産後出血が増加する傾向はなかった.新生児の易刺激性,哺乳の緩慢さ,臍帯動脈血pH,2分後アプガースコアに対する明らかな影響はみられなかった.

結論:検討された研究知見では分娩第2期中の予防的β刺激剤投与を支持するものではない.


Citation: Hofmeyr GJ. Prophylactic intravenous betamimetics in second stage of labour. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:六車浩史/佐藤孝道)