胎児発育障害が疑われる場合のβ刺激薬

Betamimetics for suspected impaired fetal growth

Gulmezuglu AM, Hofmeyr GJ

最終更新日:18/11/1997


目的:胎児発育障害が疑われる場合のβ刺激薬療法の胎児発育と周産期予後に対する効果を評価する.

検索方法:コクラン妊娠と出産グループにより維持・更新された臨床試験のレジスター.コクラン比較臨床試験レジスターの定期的な調査が,最新のレビューを維持するために行われている.

選択基準:胎児発育障害/臨床的に同等の結果を伴う子前症が疑われ場合のβ刺激薬の投与について,すべての容認できるランダム化比較試験が適格とされた.

データ収集と解析:検討した試験は,結果の如何にかかわらず,方法論的な質の高さと組み込みの適切さより評価された.採用された試験データは,以下に述べられているように処理された.Mulrow CDとOxam AD編集のCochrane Collabolation Handbook(1997年3月1日改訂),Cochrane Library(デイスクとCDROMによるデータベース),The Cochrane Collaboration,Oxford:Update software;1996-,年4回改訂.死亡率,新生児罹病率,母体の副作用などの周産期予後に関するデータに注目した.

主な結果:臨床データを報告した2つの試験では,新生児罹病率と身体的発育には差はなかった.

結論:胎児発育を促すためのβ刺激薬の働きを勧めるにしろ,反対するにしろ,不適切な根拠しかない.将来の研究は,母体と新生児の両者の副作用をすべて記録すべきである.


Citation: Gulmezuglu AM, Hofmeyr GJ. Betamimetics for suspected impaired fetal growth. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:溝渕泰三/佐藤孝道)