妊娠中のバランスのとれた蛋白質およびエネルギー補給

Balanced protein/energy supplementation in pregnancy

Kramer MS

最終更新日:26/02/1997


目的:バランスのとれた蛋白質/エネルギー補給(すなわち蛋白質が総エネルギーの25%未満というような補給)を妊婦に行うことが,妊娠中の体重増加,妊娠予後や出産後の児の予後に与える効果を評価するため.

検索方法:コクラン妊娠と出産グループによって維持・更新された臨床試験のレジスター.

選択基準:蛋白質含量が総エネルギーの25%未満内であるようなエネルギー/蛋白質補給に対する,全ての,容認された,比較試験.

データ収集と解析:データは出版された報告から著者が抽出し,研究者たちに連絡を取って情報の追加を行った.

主な結果:バランスのとれた蛋白質/エネルギー補給は母体の体重と胎児の成長を多少増加させる.これらの増加は栄養不良の女性たちにより大きいというわけでなく,また児の成長や神経発達における長期的な効果を与えるようにも思われない.

早産,胎児や新生児の生存,または母体の健康への効果について結論に至るには役立つ証拠があまりない.

結論:バランスのとれた蛋白質/エネルギー補給は胎児の成長をやや改善するものの,妊婦やその児への長期的な効果はありそうにない.


Citation: Kramer MS. Balanced protein/energy supplementation in pregnancy. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:溝渕泰三/佐藤孝道)