妊娠後期のかゆみに対する抗ヒスタミン剤とアスピリンの比較

Antihistamines versus aspirin for itching in late pregnancy

Young GL, Jewell MD

最終更新日:30/06/1994


目的:肝機能正常である場合の妊娠中のかゆみ治療の異なった方法の有効性を評価する.

検索方法:コクラン妊娠と出産グループの検索方法が使用された.

選択基準:妊娠中のかゆみ治療のあらゆるランダム化比較試験.クロスオーバー研究の中で,クロルフェニラミンをアスピリンと比較した研究がただ1つだけ確認された.[Reda 1997]

データ収集と解析:このレビューを作成するのに独自の評価をする2人の判定者が,その1つの研究を審査した.

主な結果:全体的にアスピリンのほうがわずかにクロルフェニラミンより有効であった.しかし,サブグループ分析でおもしろい相違点があった.発疹のある場合,15人中14人がクロルフェニラミンで軽減がみられたが,アスピリンで軽減がみられたのは2人だけだった.しかし発疹のない場合だと,アスピリンでは21人中20人が治ったのに対し,クロルフェニラミンで軽減したものはいなかった.

結論:アスピリンは妊娠中のかゆみに対して発疹のないときには非常に有効のように見える.発疹があればクロルフェニラミンが有効かもしれない.


Citation: Young GL, Jewell MD. Antihistamines versus aspirin for itching in late pregnancy. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:溝渕泰三/佐藤孝道)