子癇前症の女性に対する抗けいれん薬治療

Anticonvulsants for women with pre-eclampsia

Duley L, Gulmezoglu AM, Henderson-Smart DJ

最終更新日:21/05/1998


目的:子癇前症の女性への抗けいれん薬投与に関連する利点と危険性評価.

検索方法:コクラン妊娠と出産グループによって維持・更新された臨床試験のレジスター.

選択基準:試験:ランダム化または準ランダム化試験.

参加者:子癇前症の女性.

介入:プラセボ(もしくは抗けいれん薬でないもの)と抗けいれん薬の比較,そして,1つの抗けいれん薬と他の抗けいれん薬の比較.

アウトカム測定:すべての女性については,子癇症,重篤な罹患率の測定,母体の死亡率の測定をし,保健衛生サービス資源を使用した.女性のランダム化は分娩前に行われ,分娩の合併症や,分娩と産後の期間も測定した.赤ん坊については,死亡,重篤な新生児の罹患率や乳児や子供の発育を測定し,保健衛生サービス資源を使用した.

データ収集と解析:データは2人の著者により独立に抽出され,いかなる矛盾点も討論により解決された.

主な結果:抗けいれん薬と無治療との比較:5つの試験で,4つの試験の抗けいれん薬が硫酸マグネシウムだった.全体的に,子癇の危険性は減少した(RR 0.35; 95%CI 0.13-0.95) が,この試験は小規模であるから,この結果は信頼性に欠ける.硫酸マグネシウムと抗けいれん薬との比較の試験については,帝王切開の危険性は,RR 1.04; 95%CI 0.92-1.17だった.他の重要な結果に影響を及ぼす可能性についての結論としては証拠が不十分である.

硫酸マグネシウムとフェニトインの比較:3つの試験だが,ほとんど(93%)の女性が,1つの試験に含まれる.子癇の危険性はマグネシウムを使うと減少する(RR 0.05; 95%CI 0.00-0.84)が,もう一度行った結果によると統計学的に強力ではない.また,硫酸マグネシウムの使用時には帝王切開の危険性が増加している(RR 1.21; 95%CI 1.05-1.41) .その他の重要な結果への有意な効果についての結論を導くには証拠が不十分である.

硫酸マグネシウムとジアゼパムの比較:これらが有意に効果があるという結論を導くには証拠が不十分である.

結論:子癇前症の女性に対する抗けいれん薬の使用の利点と危険性の両者確立するには証拠が不十分である.従って,確信をもった推薦は不可能である.


Citation: Duley L, Gulmezoglu AM, Henderson-Smart DJ. Anticonvulsants for women with pre-eclampsia. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:田中恵美子/岡田慶子、岡田 隆)