妊娠中の抗D抗体投与

Anti-D administration in pregnancy

Crowther CA, Keirse MJNC

最終更新日:17/07/1995


目的:Rh陰性で抗D抗体を持たない母親の感作の頻度に対する妊娠28-34週又はそれ以降における抗D免疫グロブリンの投与の効果を判定することが目的であった.

検索方法:コクラン妊娠と出産グループの比較臨床試験特別レジスターから確認された.

選択基準:下記の基準を満たす全ての出版,未出版そして進行中のランダム化試験.

 対象:妊娠28週で抗D抗体をもたないRH陰性の妊婦

 方法:妊娠28週又はそれ以上で抗D免疫グロブリンの投与.

 検査値:Kleihauerテストの陽性化,それに続く感作の成立,そして新生児の罹病率.

データ収集と解析:データの抽出 データ不公平さを排除する方法をとらずに,判定者により,各試験から抽出された.

主な結果:28-34週で抗D抗体を投与された妊婦において,32-35週とRh陽性の新生児分娩後でのKleihauer陽性例はより少なかった.出産前に抗Dを投与された初産婦や初任婦において出産後の2-12ヶ月後における抗体の出現率は明らかに減少していた.

結論:妊娠の28-34週における抗D免疫グロブリンの投与は,妊娠中あるいは分娩直後の感作のリスクを明らかに低下させることができる.この方法の費用対効果比に関しては,更なる研究が必要である.


Citation: Crowther CA, Keirse MJNC. Anti-D administration in pregnancy. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:益田祐子/佐藤孝道)