早期産分娩前の甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)

Antenatal thyrotropin-releasing hormone (TRH) prior to preterm delivery

Crowther CA, Alfirevic Z, Haslam RR

最終更新日:28/05/1997


目的:目的はかなり早い早期産のリスクのある婦人に副腎皮質ステロイドに加えてTRHを投与することの効果を評価することであった.

検索方法:試験はコクラン妊娠と出産グループの比較臨床試験特別レジスターにより同定された.

選択基準:以下の基準に適合したすべての出版された,または未出版や現在進行中のランダム化比較試験.対象:肺の成熟促進に分娩前に副腎皮質ステロイドを投与する適応のある早期産のリスクのある婦人.方法:TRHと副腎皮質ステロイドの併用と,ステロイドとプラセボまたはステロイドのみを比較した.結果評価:胎児・新生児死亡率,新生児罹病率,母体罹病率

データ収集と解析:データは不公平さを排除する方法をとらないで著者によって各試験より抽出された.

主な結果:このレビューは臨床的な新生児結果評価がすべて報告された3つの試験から引き出された.レビューからは,かなり早くの早期産前にTRHを(副腎皮質ステロイドに加えて)投与することで呼吸促迫症候群や慢性的な酸素投与のリスクを減少するという証拠はない.死亡率に対する効果は明らかではない.モニターされたすべての母体に対する副作用は,TRHを投与した婦人に多く報告された.

結論:分娩前のTRH投与は臨床実地では勧められない.400ugのTRHを使用したプラセボと比較した2つの比較試験が最近終了し,全部の報告はまだの状態である.これらの新たなデータがこの投与量での分娩前のTRH投与の効果について,特に死亡率や長期罹病率について,さらに確実な証拠をもたらすであろう.すべての児に対する長期間の追跡調査の結果が待たれる.


Citation: Crowther CA, Alfirevic Z, Haslam RR. Antenatal thyrotropin-releasing hormone (TRH) prior to preterm delivery. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:益田祐子/佐藤孝道)