マラリアの治療に対するアモジアキン

Amodiaquine treatment in malaria

P.Olliaro, P.Mussano

最終更新日:30/08/1996


目的:マラリアの治療においてアモジアキンの有効性と安全性を,クロロキン又はピリメタミン/スルファドキシンと比較する.

検索方法:MEDLINE1955年以降,Cochrane Parasitic Diseases Trials register,すでにあるレビュー,この分野における研究者そして製造者からのデータ.個々の患者のデータは可能なかぎり探した.

選択基準:流行地域におけるマラリア治療で,経口アモジアキンによる治療と他の治療を比較したランダム化比較試験または偽ランダム化比較試験.耐用性と毒性はマラリアの治療にアモジアキンを用いている人間の研究で探した.

データ収集と解析:寄生虫学的な治療の成功を7日,14日,21〜28日とした.寄生虫消失時間,発熱消失時間,有害事象.

主な結果:40の試験が有効性の包含基準に合致した.(17件が発表,5件が未発表.そして18件は生データだった.アモジアキンは,7日目と14日目における寄生虫消失に関してクロロキンより効果があった.7日目における寄生虫学的成功率はスルファドキシン/ピリメタミン(S/P)と同様であったが,発熱期間は短かった.全ての有害反応の報告からの耐用性については,致死的な有害事象は明らかでなく,報告された血液検査などの有意な変化も明らかではなかった.

結論:このレビューは合併症のないマラリアの治療でのアモジアキンの使用およびその価値を支持する.そして毒性の証拠に関する日常的なサーベイランスは続けるべきである.


Citation: P.Olliaro, P.Mussano. Amodiaquine treatment in malaria. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:矢野利枝 /吉村 学,村上智彦)