患者の服薬コンプライアンス改善のための介入

Interventions to assist patients to follow prescriptions for medications

Haynes RB, McKibbon KA, Kanani R, Brouwers MC, Oliver

最終更新日:05/05/1997


目的:背景:処方され,自己管理とされた薬に対して,患者のコンプライアンスが悪いということはありふれたことである.処方された際に,害よりは有効である薬の増加に伴い,コンプライアンスが悪いということに関係して現在の薬物治療の利益が出ない重大な問題である.治療を継続するように患者を援助する努力は治療の効率を改善しただろうし,十分に効果を増幅しただろう.目的:患者のコンプライアンスと臨床効果の両方を測定した試験に視点を置き,患者の服薬コンプライアンス改善のために介入したランダム化比較試験(RCTs)の結果を要約する.(コンプライアンスと利益の両方を測定するための条件は次のように認識された.コンプライアンスは治療過程の測定である.患者の転帰に臨床的に重大変化を及ぼさないようなコンプライアンスの変化は,死のように臨床的に重要な転帰である危険を減少させない不整脈治療薬より有効であるとは言えない.)

検索方法:以前のシステマティック・レビューはコンピューターを使ったMEDLINE, CINAHL, コクラン・ライブラリー, International Phamaceutical Abstracts(IPA), PsychInfo, Sociofile, Hstarでの検索を通して最新のものにされた,患者のコンプライアンスの論説の文献,評論家の個人的な収集における文献,著者との接触.

選択基準:文献は,処方された薬,治療結果の1あるしはそれ以上の測定,服薬コンプライアンスの1あるいはそれ以上の測定を用いて,コンプライアンスを改善するための介入のきちんとしたランダム化比較試験,(つまり,長期治療について研究された各々のグループの少なくとも80%の追跡調査,明確な最初の発見のある研究の少なくとも6ヶ月間の追跡調査)に関するオリジナルなデータを報告したかどうかに視点を置き判断された.

データ収集と解析:研究方法,介入群とコントロール群,そして結果についての情報は二人のレビュアー(RK,TO)に抽出され,他の三人のレビュアーのうちの二人により確定された.研究は臨床上の問題,コンプライアンスへの介入,コンプライアンスの測定と報告,そしてメタ分析を保証するために研究された臨床結果において非常に格差があった.

主な結果:14のランダム化比較試験で報告された16の介入のうち8つがコンプライアンスの改善に関するものであったが,たった6つの介入だけが治療効果に改善をもたらした.短期治療に対して,1つの研究がコンプライアンスとカウンセリングと記述された情報においてある効果があった.長期治療に対して効果的だった介入は複雑であり,さらに便利な治療,情報,カウンセリング,注意,自己管理,強化,家族治療,そして他のタイプの付加的な監督や注意など,さまざまな組み合わせを含んでいた.どんなに効果的な介入もコンプライアンスと治療効果における実質的な改善を導かなかった.

結論:コンプライアンスと治療効果は信頼できる,通常用いられる介入の組み合わせにより改善されるが,薬の十分な利益は,普通に達成可能なレベルのコンプライアンスでは実現されない.今こそ,患者の服薬コンプライアンスを改善のために改革的な試みを開発し,試験することに力を注ぐ時である.


Citation: Haynes RB, McKibbon KA, Kanani R, Brouwers MC, Oliver. Interventions to assist patients to follow prescriptions for medications. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:高口恵子/白石由里,中島嘉之)