分娩第3期における積極的管理と待機的管理との比較

Active versus expectant management of the third stage of labour

Prendiville WJ, Elbourne D, McDonald S

最終更新日:08/07/1998


目的:分娩第3期における積極的管理と待機的管理の影響を,母体の出血量,分娩後の出血そしてそれ以外の分娩第3期の母体と周産期の合併症に関して比較すること.

検索方法:このレビューは,コクラン妊娠と出産グループ全体のために開発された検索方法によった.関連する試験はこのグループの比較臨床試験特別レジスターの中で確認された.

選択基準:知し得るすべての積極的と待機的管理を比較するランダム化比較試験がこのレビューに組み込まれた.

 

データ収集と解析:データはこのレビューの著者によって独立して抽出された.


主な結果:4つのランダム化比較試験が確認された.それぞれの試験は,分娩第3期の管理が母体出血量,分娩後出血およびその他の分娩第3期の母体と周産期の合併症に及ぼす効果を評価するためにデザインされていた.そのデータは,産科病院の設定では,積極的管理は以下の3つのことに関連していることを示している:1)母体出血量,分娩後出血と重症の分娩後出血,分娩第3期の遷延および母体の貧血のリスクの減少. 2)母親の悪心,嘔吐および血圧上昇のリスクの増加(すべての4試験は使用した子宮収縮薬の一部にエルゴメトリンを利用していたためであることはほとんど確かである). 3)新生児に対する明らかな利益や不利益はない.

結論:通常の積極的管理は,出血量,分娩後出血およびその他の重篤な分娩第3期の合併症の点で,待期的管理より優れている.しかしながら,積極的管理ではエルゴメトリンが使われており,不快な副作用(例えば悪心や嘔吐)と高血圧のリスクの増加に関連している.積極的管理は,単胎で産科病院の中で経膣分娩が予想される婦人にとっては,日常的管理の選択肢の1つとすべきである.家庭分娩を含めた他の環境(発展途上国でも先進国でも)での適応はより明確ではない.


Citation: Prendiville WJ, Elbourne D, McDonald S. Active versus expectant management of the third stage of labour. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.


(日本語翻訳:浅井泰博/白石由里)